更年期の症状
内科・外科 婦人科
●更年期障害とは
もともと思春期以降の女性の体はエストロゲンとプロゲステロンがダイナミックに変化しています。これが、閉経期になるとエストロゲンが不足しバランスが崩れてきます。→月経の仕組みと女性ホルモン
更年期障害とは閉経前後にエストロゲンが不足することによって起きてくる症状を総称して言います。45~55歳の女性の60~80%に症状を認めるといわれ、特に生活に支障をきたすほどの方は約20%といわれています。
その症状は以下のように様々あります。

いずれも更年期のみ特有のものではなく、「不定愁訴」といわれます。ですので、ご自分でも本当に更年期なのか、それともほかに病気がないのか判断するのが難しいと思います。
更年期で受診するかどうか悩むときに、目安になるものに簡略更年期指数というものがあります。

●更年期障害の診断・検査
まずは症状の確認が重要なので、問診で詳しくお話を伺います。血液検査でエストロゲンやFSH、LHなどのホルモンの値を調べ確認します。また、ほかに似たような症状を起こす病気がないかどうかを調べる必要もあります。例えば、甲状腺機能異常、高血圧、糖尿病、うつ病などがあります。また、安全に治療ができるかどうか確認するために調べる検査もあります。子宮や乳腺に病気がないか調べるため、がん検診や子宮卵巣エコーを行います。また肝障害や胆石の有無や、血栓の有無なども確認します。
●更年期障害の治療
・ホルモン補充療法
エストロゲンを補充する方法です。エストロゲンが不足することで症状が出ているので、理論的に最適の方法と言えます。ですが、ホルモン補充療法自体が吐き気や気分不快などで合わない方もいます。逆に効果があるとしても、ほかの副作用のリスクが高いため、乳がんの方、肝障害がある方、心筋梗塞の方などに使うことはできません。効果と副作用をよく相談して、調整と定期検査をしながら行うのが大切です →ホルモン補充療法について
・漢方薬
ホルモン補充療法ができない方などに用います。冷え、ほてり、動悸、うつ、肩こり、むくみなど症状(証)をお伺いして、合うものを見立てます。当帰芍薬散、桂枝茯苓丸、加味逍遙散などがよく使われます。
・対症療法
不眠症や不安症に対して睡眠薬や抗不安薬が効果的なことがあります。また関節痛などに鎮痛剤を処方することもあります。
・プラセンタ注射
プラセンタとは胎盤エキスのことです。注射は更年期障害にも保険適応になっています。滋養強壮作用があり、より効果が実感できるため、量を増やして注射される方もいらっしゃいます(保険適応外)。→プラセンタについて
・深部加温療法
深部加温することで循環を良くし代謝を上げ、自律神経を整えることで、更年期症状を和らげる効果が期待できます。当院ではラジオ波を通電させることで深部加温するINDIBAをお受けいただくことができます。お薬の治療を極力避けたい方などにお勧めです。→INDIBAについて
・サプリメント
ホルモン剤を使いたくない方、症状が軽く様子を見たい方などはエストロゲンと似た働きをする大豆イソフラボンなどのサプリメントを試してみるという方法もあります。当院ではエクオールの販売も行っております。
●閉経後障害について
エストロゲンは妊娠や月経だけではなく、女性の体で様々な役割を果たしています。閉経後エストロゲンが欠乏することで、起きる障害のことを閉経後障害と言います。主なものに、骨粗しょう症、泌尿生殖器障害、血管障害、脳神経障害などが挙げられます。→閉経後障害について

六本木ブレストレディースクリニック
月-木10-19時 土10-14時 金・日・祝休み