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子宮脱・閉経後障害

婦人科

子宮脱(性器脱・骨盤臓器脱)

 骨盤底の組織が弱くなり膣部から臓器が下りてきて脱出する病気です。加齢、分娩、肥満、便秘など、複合的な原因で起きると考えられています。子宮の脱出が最も多く、よく「子宮脱」と言われますが、膀胱や直腸など骨盤内の臓器も脱出することがあります。
 外陰部の脱出感のほか、分泌の増加、下着の汚れ、尿失禁や排尿障害などを認めることもあります。

 軽度であれば、ペッサリーと呼ばれるリングを膣内に挿入して支えます。

 保険適応になっているものはウォーレスリングペッサリーと言われるもので、白い輪の形をしています。サイズもたくさんあり適したものを測って挿入します。小さいものだとすぐ脱出してしまい、大きなものだと違和感や痛みが出ることがあり、何度か試すこともよくあります。
 外性器の形状や脱出の程度や部位によっては、どうしてもウォーレスリングペッサリーが合わないこともあります。実はペッサリーには、海外のものも含めたくさん種類があります。保険適応外になるため購入していただくことになります。いずれのペッサリーも感染防止のため半年程度で交換が必要になります。

 日本ではリングを入れたままにして、感染防止に3か月ごとに洗浄のため受診され、半年ごとに病院で交換してもらう方が多いです。これを連続装着方式といいます。海外では自己着脱方式といって、ご自分で夜寝る前に外し、朝挿入する方法が一般的です。感染や炎症が予防できるメリットはありますが、自己挿入に不安があったり、慣れるまで練習が必要であったりするデメリットがあります。

 また、骨盤底筋訓練と言われるトレーニングも軽度の骨盤臓器脱や予防に効果があると言われています。
 症状が強い場合は手術療法も考慮します。ですが、弱くなった組織を支えるのは手術でもなかなか難しく、ケース毎によくご相談して決定することになります。ペッサリーでのコントロールが難しい場合には連携病院にご紹介しています。

閉経後障害

エストロゲンは妊娠や月経だけではなく、女性の体で様々な役割を果たしています。閉経後エストロゲンが欠乏することで、起きる障害のことを閉経後障害と言います。主なものに、骨粗しょう症、泌尿生殖器障害、血管障害、脳神経障害などが挙げられます。

●萎縮性膣炎

 閉経後にエストロゲンが欠乏し膣内の細菌叢が変化することで、膣部に炎症を起こすものです。陰部の不快感、かゆみ、性交時痛などを起こします。エストロゲン膣錠で治療します。

●尿失禁・頻尿

 複数の要因が関連して起きます。骨盤底筋群の脆弱化、膀胱下垂、尿道括約筋機能の低下、外陰・尿道の萎縮による排尿時痛、尿道狭窄、神経障害による尿意の低下などがあります。骨盤底筋運動で症状が軽快することもあります。薬物療法はエストロゲン膣錠や抗コリン薬、β2刺激剤が効果あることがあります。状況に応じて手術も検討します。

●閉経後骨粗しょう症

エストロゲン欠乏により骨代謝が急激に低下し、骨塩量が減少します。脊椎椎体骨折や大腿骨骨折を起こすと日常生活に支障をきたします。運動療法、食事療法を基本に予防が大事です。薬物療法はビスホスホネートを基本にカルシウム、ビタミンD、SERMなどを選択します。→骨粗しょう症について

●動脈硬化・コレステロール異常

エストロゲンは悪玉と言われるLDLコレステロールを肝に取り込み、酸化を抑制する作用があります。エストロゲンが欠乏すると、血管内膜へLDLコレステロールが取り込まれ、血管壁が厚く硬くなって動脈硬化をきたします。動脈硬化や血管内腔が狭くなると血栓を作り、脳梗塞や心筋梗塞などの原因になります。まずはコレステロールの値を適正にすることを目標にします。食事療法を行った上で、必要に応じて内服薬を処方します。

●認知症

認知症はその原因によって分類されますが、女性はアルツハイマー病が多いです。エストロゲンはアルツハイマー病の原因となるアミロイドβタンパクの産生を低下させることがわかっています。


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