ピルについて
内科・外科 婦人科ピルとは
ピルは、2種類の女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)の合剤です。もともと女性の身体はこの女性ホルモンの周期的な変化で、月経・妊娠・出産といったライフイベントが起きています。(月経の仕組みと女性ホルモン)
この仕組みを利用し、ピルは様々な女性のライフイベントを調整することができます。このうち、主に月経に関連した月経不順、月経困難症といった症状の改善には保険診療で、避妊や月経調整・移動などの目的には自費で処方されます。保険で処方できるお薬と自費で処方できるお薬はそれぞれ決まっていますが、基本的にはどちらも2種の女性ホルモン配合剤で、ご負担金も大差はなく、ご相談しながら適したものをご処方することになります。
ピルの効果について
ピルによって、女性ホルモンを整えることにより、様々な効果があります。
・月経痛の軽減、月経血量の減少
・子宮内膜症、卵巣チョコレートのう胞の予防、再発の予防
・高い避妊効果
・卵巣がんリスクの低下
・子宮体がんリスクの低下
・大腸がんのリスク低下
・ニキビの改善
ピルの種類 2020年1月現在 (ピルの種類について詳細はこちら)
保険診療のピルをLEP、自費のピルをOCといって区別しています。
▽LEP:Low dose estrogen-progestin(保険処方)
中用量 | 低用量 | 超低用量 |
プラノバール | ルナベルLD フリウェルLD | ヤーズ ルナベルULD フリウェルULD ジェミーナ |
▽OC:Oral contraceptive(自費処方)
当院でお薬をお出しします。(初回指導料をいただいております(¥2,200))
一相性 | 三相性 |
マーベロン ファボワール |
シンフェーズT アンジュ トリキュラー ラベルフィーユ |
21日間すべて、女性ホルモンの量が一定です。飲み間違いがなく、月経調整がしやすいです。 | 自然な女性ホルモンの変化に合わせて3段階にホルモン量が変化します。より体に優しいと言えます。 |
お値段 1シート\2,420(税込)より
OCは最初28日分をお出しします。特に問題なければ次回2-3か月分処方し、安定した場合、最大6か月分まで処方します。
ピル処方の流れ
- 受付 ピルの相談とお伝えください。問診票にご記入いただきます
- 血圧測定 場合により身長体重測定
- 診察 問診票を踏まえてご診察いたします
- ピル処方決定 もし必要があれば検査を行います
- お会計 お支払い時に、処方箋またはお薬をお渡しします 次回予約もお取りできます。
ピルはこわいとイメージされている方もいらっしゃいます。確かに、アメリカで1950年代にピルが開発された当初はまだわかっていないことも多くあり、副作用が後から報告され問題になったこともありました。しかし、現在使われているピルは改良され、メリットの方が高いとわかっています。(ピルの歴史について)
また、「太る」「妊娠しにくくなる」ということはありません。
ピルの副作用
・不正出血:ピル開始早期に20%の方で見られることがあります。ほとんどの方は3か月でおさまってきます。
・吐き気や頭痛、乳房張り感など:ピル飲み初めに出ることがあります。1~2か月で消失します。
・肝障害
・乳がんリスク:3年以上お飲みの方で少し上昇するといわれています。
・子宮頸がんリスク:5年以上お飲みの方で少し上昇するといわれています。
・血栓症リスク:上昇します。発生は稀ですが、急激な症状が起きることがありますので注意が必要です。以下のような症状がありましたらすぐにご連絡いただくか、お近くの病院におかかりください。
血栓症の症状
・急激な腹痛や胸痛、頭痛
・急激な視力障害や言語障害
・ふくらはぎの痛みやむくみ、発赤
・手足のしびれ
血栓症リスクが高く注意が必要な方
・肥満(BMI30以上)
・40歳以上
・喫煙者
・高血圧の方
・片頭痛持ちの方
・血栓症のご家族がいる方
・安静が必要な手術予定の方
・長時間動けない方
ピルの副作用は昔に比べると改善されていますが、当院では、より安心してご使用いただけるように、副作用対策を行っております。(当院では45歳以上の方にはピルは処方いたしません)
当院では自費ピルをお飲みの方に、定期的な検査を行っております。子宮の検査は1年毎にお受けいただくようお願いいたします。採血や乳がん検診も承っております。
港区の乳がん・子宮がん検診(令和2年度から)も受けられます。他院の区の健診や職場の健診を受けられた方は、結果をご持参いただければ大丈夫です。

六本木ブレストレディースクリニック
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