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乳腺の症状

乳腺科
しこり

 乳房は乳汁を作り出す乳腺組織と脂肪が混じりあってできています。乳腺は比較的硬めで弾力があり凸凹していることが多いです。個人差も大きく、乳腺そのものをしこりのように感じることもよくあります。

また乳腺には良性のしこりもよくできます。主なものに線維腺腫、乳腺のう胞などがあります。ほとんどは女性ホルモンの影響です。 →乳腺の良性の変化

 悪性のしこりの大多数は乳がんです。乳がんのしこりは硬く動かないものが多いと言われていますが、もともとの乳腺と区別するのも難しいので、1cmより大きくならないと気が付けないことがほとんどです。ですので、自己触診も大切なのですが、早期にがんを見つける目的の検診では、触診のみでは効果不十分であるとわかっています。→乳がん検診について

 

痛み 張り感

 乳房の痛みや張り感は女性ホルモンの影響で起きることが多いです。特に月経の1~2週間前に起きる人が多いです。両側に起きることが多いですが、片側のみのこともあります。ほとんどは心配いりません。痛みが原因で受診し、偶然乳がんが見つかることもありますので、気になることがある場合にはいつでも受診されてください。

 

赤み・腫れ

 乳房が赤くはれている場合は、乳腺炎が考えられます。授乳中の人は母乳が詰まってうっ滞し起きることが多いです。授乳や搾乳が一番の方法ですが、痛くてご自分でできないことも多いので、ご来院ください。

陥没乳頭で感染したり、ホルモンの影響で炎症を起こしたりして、乳輪の下が赤く腫れることがあります。場合により切開して膿を取り除く処置が必要になることがあります。

まれに、炎症性乳がんと言って赤く腫れる乳がんの場合もあるので注意が必要です。

 

乳頭分泌

 乳腺で作られた母乳が通る管を乳管と言います。この乳管の出口が、乳頭部に15~20個ほどあります。その開口部より授乳時以外で分泌があるものを乳頭分泌といいます。

ホルモンの影響で、透明なものや薄黄色の液体や、白いねっとりした分泌が出ることがありますが、ほとんど心配いりません。

 母乳のような白い液体が出る場合があります。まれに高プロラクチン血症が隠れていることがあります。この原因には薬剤性や肝障害の他、下垂体腫瘍が隠れていることがあります。また授乳後、高プロラクチン血症が持続し、第2子以降の不妊の原因になることがあります。持続する場合は受診してください。

 赤や暗赤色の血液混じりの液体が出ることがあります。乳管内に出血の原因になるものがある可能性があります。多くは乳管内乳頭腫と言われる良性のポリープなのですが、乳がんが原因のこともあります。乳管は細いので、原因を画像検査だけで確定するのは難しいことも多く、分泌物の細胞診や乳管内病変の針生検を行ったり、場合によっては手術で原因部の乳腺を切除することもあります。

 

乳頭部のびらん

 擦り傷のような変化が乳頭部にみられることがまれにあり、びらんといいます。パジェット病という乳がんの一種のこともあります。元々乳頭部の皮膚は、汗や皮脂を分泌する腺や毛穴もあるので、かぶれることも多いのですが、もし、びらんが改善せず続くようなら検査が必要です。

 

乳頭乳輪部の色素変化・しこり

 乳頭部の色素が抜けたり、逆に濃くなったりすることがあります。また、柔らかい小さなしこりができることもあります。ほとんどは良性なのですが、変化してくる場合には注意が必要です。乳頭乳輪部は皮膚科の病気ができることも多く受診科に迷うこともあるかと思いますが、当院では診察させていただいた上で、必要に応じて皮膚科をご紹介することも可能です。

 陥没乳頭はもともとで病気ではなく特に治療は必要ありません。ですが、たまに乳輪下膿瘍の原因になることがあります。感染を起こす場合、または形が気になる場合に手術で治療を行います。当クリニックでは行っておりませんので、ご相談し形成外科にご紹介いたします。

 

乳房の皮膚の変化

皮膚や乳頭のひきつれ・くぼみ、硬化が局所的にみられた場合は、乳がんの症状の場合があります。ご自分の手のひらで少し皮膚をずらしてみるとわかりやすくなります。

ごくまれに線状の皮膚のひきつれを起こすことがあり、モンドール氏病といいます。静脈炎の一種で自然に治ります。

乳房部皮膚全体のかゆみや違和感は、ホルモンの影響や汗のムレ、かぶれなど起きることが多く、ほとんどは心配いりません。症状が持続する方や乳がん検診を受けていない方などは一度受診をお勧めします。

 

腋窩(わき)のしこり・はれ

 わきの下にはリンパ節が多く、けがや炎症などで腫れることはよくあります。まれに、乳がんが波及し、乳腺のしこりより先に、腫れたリンパ節が見つかることがあります。

 また、副乳(異所性乳腺)といって乳腺組織が腋窩に繋がっていたり、島状に存在していることがあります。妊娠中や授乳時に目立って気が付くことが多いですが、生理前にも脇の下が張って痛んだりすることがあります。脇付近の皮膚に小さな乳頭(重複乳頭)のようなものがあることもあります。大きさに個人差はありますが、あまり珍しいものではなく特に心配いりません。ごくまれに副乳がんが発生することもあります。

当院の乳がん検診では乳腺エコーの際に必ず腋窩リンパ節が腫れていないかどうか、腋窩付近にしこりがないかどうかも確認しております。

 


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