麻疹ワクチンについて
内科・外科 内科・女性内科 婦人科東京都内の男女2人がはしかに感染していることが確認されたと、2023年5月12日に都が発表しました。
はしか(麻疹)は感染力が強く2007年に大流行しましたが、現在はワクチンの効果でほぼ感染は防がれていると言われています。
感染した2名は面識はありませんでしたが、4月23日に同じ新幹線に乗っていたことがわかっています。これはインド帰国後に感染が確認された、茨城県の男性と同じ車両でした。
はしかは空気感染といってウイルスの含まれた空気を吸い込むことで感染します。新型コロナウイルスの飛沫感染(ウイルスの含まれたくしゃみなどで出る水分による感染)よりもはるかに強い感染力を持ちます。
はしか(麻疹)の症状
免疫力を持っていない人が感染するとほぼ100%発症します。
感染の約10日後に発熱や咳、鼻水が現れ、その2,3日後に39度台の高熱と発疹が出ます。
妊娠中に麻疹に感染すると流産する確率が30~40%と上がることがわかっています。
はしかの予防とワクチン接種について
空気感染のため、手洗いマスクなどで予防するのが難しいため、ワクチン接種が大切になります。
麻疹ワクチンは生ワクチンで、2回接種していれば生涯免疫を獲得しています。
現在、ほとんどの日本人は子供のころに接種しています。
定期接種の時期は1回目は1歳のとき、2回目は小学校就学前の1年間です。
子供のころに接種したかどうかは、母子手帳で確認できます。
麻疹ワクチン単独ではなく、麻疹・風疹混合ワクチン(MRワクチン)や、麻疹・おたふくかぜ・風疹混合ワクチン(MMRワクチン)を接種していることもあります。
子供の頃に麻疹ワクチンを打っていて、抗体ができていれば基本的には感染することはないので追加のワクチンは不要です。
予防接種法
麻疹ワクチン接種は予防接種法により、過去の接種は主に以下のように変遷しています。(自治体等による地域差がある可能性はあります。)
・2006年4月以降:1歳と小学校就学前の2回定期接種 →きちんと打っていれば抗体があるはず
・1978年から2005年:1回または2回接種 →人によっては十分な抗体がない場合がある
・1977年以前:ワクチンは任意接種。但しほとんどの人が麻疹に自然感染したため、抗体がある可能性が高い。
麻疹抗体検査
心配であれば、抗体があるかどうか、採血で確認することもできます。
採血後3-5日で結果が出ますので、それを踏まえてワクチン接種を決めることもできます。
当院では麻疹抗体検査は2750円(税込)です。
風疹など他の抗体検査も同時に行うことが可能です。
麻疹ワクチン
大人の麻疹ワクチン接種は1回でも95%の免疫力を得られるとされていますが、2回打つとさらに97~99%まで上がると言われています。
2回打つ場合は4週間あけて接種します。
副作用は、発熱と発疹です。接種後約1週間前後に出ることが多いです。ほか咳や鼻水が出ることもあります。
まれですが、重大な副作用として、アナフィラキシーショック・脳炎・急性血小板減少性紫斑病などが挙げられます。
生ワクチンのため、免疫力が落ちている方は接種できません。
妊娠中も麻疹ワクチン接種はできません。
また接種後2か月間は妊娠できませんのでお気を付けください。
授乳中の接種は影響ありません。
もし風疹抗体も低い場合は、麻疹風疹混合ワクチンを接種した方がよいでしょう。
当院での麻疹ワクチン接種は5500円(税込)、麻疹風疹ワクチンは11000円(税込)です。
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