子宮がん検診の検査について

子宮がん検診の検査についてご説明します。

婦人科のがんは症状があまりなく、わからないうちに進行してしまうことがあります。ですが、早期に発見できれば根治することもできますし、子宮摘出をしなくてもよい場合もあります。

子宮がんには「子宮頚がん」と「子宮体がん」の大きく2つあります。
子宮体がんは子宮の奥の方(内膜)にできるがんです。閉経後の女性に多く、女性ホルモンと関連があると言われています。子宮頚がんは子宮の入り口(頚部)にできるがんです。20-30歳代に多く、その原因はほぼ100%、HPV(ヒトパピローマウイルス)感染であると言われています。
一般的に行われているのは子宮頚がん検診です。細胞診を基本にHPV感染の有無を追加することができます。

▶子宮頚がん細胞診

子宮頚部を専用のブラシで擦り、細胞を採取するものです。定期的に行うことで子宮頚がんによる死亡率を80%下げることができると言われています。当院では女性医師が施行しております。採取した細胞はプレパラート固定(従来法)または液状固定液(液状検体法)のいずれかで処理し、細胞診専門医が判断します。結果は2週間後にやはり女性医師が説明いたします。

採取した細胞はベセスダシステムという判定分類に則って判断します。もし異常が見られた場合は、その判定により再検査やHPV検査をおこなったり、コルポスコピーで観察したり、「ねらい生検」といって一部組織を採取したりします。経過観察をすることもあれば、円錐切除といって子宮頚部を円錐状に切り取ることもあります。(精密検査の詳細はまた別のブログ記事でご説明します。)

▶HPV(ヒトパピローマウイルス)検査

HPV感染は無症状なため、検査を行わないと感染の有無はわかりません。HPVには100種類以上あることが知られていますが、特にHPV-16とHPV-18は子宮頚がん発生に強く関連していると言われています。この様に子宮頚がんと関連が深いタイプのHPVをハイリスク型といいます。
検査は、HPV DNA(ハイリスク)検査とHPV DNA型判定検査があります。

HPV DNA(ハイリスク)検査はハイリスク型HPVに感染しているかどうかを調べる方法です。大きく2通りあり、HPVハイリスク型の感染の有無のみでどのHPV型に感染しているかまではわからない方法と、HPVハイリスク感染のうち、特にリスクの高いHPV-16およびHPV-18のみ型が判明できる方法です。当院では後者を検診で行っております。

HPV DNA型判定(ジェノタイプ)検査はHPV感染の型まで判定できますが、コストがかかります。当院の検診ではHPV DNA(ハイリスク)の液状固定法による検査を採用しております。

▶経腟超音波(エコー)検査

経腟エコーは細いプローベを膣内に挿入し、子宮の奥(体部)や左右の卵巣およびその周囲を観察するものです。子宮内膜の状態、子宮筋腫の有無、卵巣嚢腫や腫瘍の有無、腹水の有無などがわかります。下腹部のエコーで代用することもあります。子宮体部や卵巣の腫瘤は症状がないうちに大きくなることが多いため、子宮頚部の検診と併せて行うことをお勧めします。

▶子宮体がん細胞診(内膜細胞診)

子宮体がん検診は体がん細胞診は内膜の一部を擦り取るものです。この細胞診で死亡率を低下できるかどうかはわかっていません。また検査により出血することもあるため、検診としてはあまり行われていません。経腟エコーなどで子宮内膜の厚い方や子宮内にしこりが見える方、また不正性器出血などの症状がある方などに行われることが多いです。
ホルモン補充療法を行っている方、乳がんのホルモン治療をされている方などは、わずかですがリスクがあるため、経腟エコーを行い、必要に応じて体がん細胞診を追加してもよいかもしれません。